外壁塗装 横浜曽根塗装店

塗料の黙示録(塗料の比較テスト) 比較試験による塗料性能解明の試み

第2章:水性シリコン樹脂塗料
【10】「耐候性」の判定


■ 「耐候性」とは

「耐候性」とは外部での自然の環境下での耐久性のことで,かなり乱暴に言い換えれば,
『何年くらいもちますか?』の「もち」です。

外壁や屋根など外部の塗装を劣化させる主要な原因は,紫外線,熱,温度差,水分です。
日光も雨も当たらず,温度が高くなくて一定ならば,安物の塗料でも十分長持ちしますが,
そうでない場合は状況が過酷なほど寿命が短くなります。

ツヤツヤピカピカに仕上がった塗装に はじめに現れる劣化の徴候はツヤの低下です。
劣化してツヤが無くなるのはなぜかというと,塗装の表面が分解されて顕微鏡的に見ると凹凸になり
光を反射しなくなるから
で,劣化がさらに進むと分解された塗料の成分がチョークの粉のように手に付く
「チョーキング」に至り,雨に当たるとその粉が流され,塗膜は薄くなっていき,ついには消失します。

1缶数千円で買える水性アクリル樹脂塗料も,ものによっては1缶2万円を超える水性シリコン樹脂塗料も,
塗りたての時点では まったく見分けがつきません。

個々の塗料でツヤの良し悪しはあるにしても,アクリルもシリコンも同じようにツヤツヤピカピカです。

なので,価格が3倍も4倍も違うけど,ほんとうに差が出るのか? 塗っている時には実感が無いのです。

しかし,水性アクリル樹脂塗料1種類,水性シリコン樹脂塗料7種類,合計8種類の塗料を塗った板を
屋根に設置したのが2003年5月5日,それから早くも3年が経過し,「耐候性」の差が出てきました。

 

■ 曽根塗装店で行っている曝露試験の負荷について

数年前,あるお宅に見積もりにお伺いした時,塗料のテストの話題になり,そのお家の御主人から,
職業上関わったという屋外曝露試験のデータを教えていただきました。

 気温と温度のグラフ,気温と日射量のグラフ

上のグラフと一緒に(というところが,さすが理系!と感心させられたのですが)
私のリクエストに応じて算出してくださったデータが下記です。

 【1】南を基準として  南:1.0  西と東:0.7  北:0.5

 【2】南面35度と南面90度は、90度を基準として  南/90度:1.0  南/35度:2.5

『測定期間は3年,場所は神奈川県,日照を遮るものがないビルの屋上』だそうです。

『もっと詳細なデータもありますよ』とのお言葉でしたが,私にはこれで十分なのです。
(ありがとうございました  m(_ _)m )

さて,この数値は何を意味するのかというと,

【1】は,垂直面=外壁面に対する方角による負荷の違いで,単純に考えると,
北側外壁に塗って10年もつ塗料は,南側外壁の場合 ×0.5/1 で5年しかもたないということです。

【2】は,角度による負荷の違いで,単純に考えると,
南側垂直面と(いわゆる「6寸勾配」の屋根に近い→)南側35度を比較すると,2.5倍,
つまり,南側外壁に塗って10年もつ塗料は,南側 傾斜角35度の場合 ×1/2.5 で4年しかもたない
ということです。

曽根塗装店の屋根の上の塗り板は,ほぼ南向きで,だいたい45度です。
水平に近いほど負荷が増すと思われますので,厳密には南側外壁の2.5倍ではないでしょうが,
以後,曽根塗装店のテストは南側外壁の約2.5倍の負荷として耐候性の話を進めたいと思います。

 

■ 3年後の塗り板

下の写真は設置後47日目,左右で塗り分けた塗料はいずれもA社製,
左が水性のアクリル,右が水性のシリコン(一応「低汚染」タイプ),
よく見ると,かろうじて,低汚染タイプの方が汚れが少ない,という写真です。
それから3年後,どうなってるか,写真にマウスポインタを乗せてみてください。

 水性アクリル樹脂塗料と水性シリコン樹脂塗料の経年変化

ご覧の通り,今は逆転して,水性アクリル樹脂塗料の方が汚れていないのです。

なぜか?→ 答えは「水性アクリル樹脂塗料はすでにチョーキングしてきているから」です。

下の写真は3年後の状態を斜めから(陽射しが反射する角度で)撮った写真です。
右側の水性シリコン樹脂塗料はまだツヤがあることがはっきりとおわかりいただけると思います。

 アクリル樹脂塗料とシリコン樹脂塗料の3年後のツヤの違い

前述の通り,チョーキング=表面が分解されてくるということなので,
汚れが付いても雨が当たると,劣化した塗膜ごと汚れも一緒に流されてしまうわけです。
つまり,このアクリル樹脂塗料は もうそろそろ寿命なんですが,キレイなもんです。

おお!ちゃんと差があるじゃん!と,ちょっと うれしくなりました(笑)

3倍も値段が違うのですから,耐候性に差が無かったら困りますし,
塗料メーカーの方からすれば「当たり前です」といわれるでしょうが,
いままで,塗料のカタログにはいろいろ騙されてますから。

水性アクリル樹脂塗料はどこのメーカーでもだいたい6年程度で塗り替えということになっています。
前記の【2.5倍】の法則でいくと,南側壁面だったら,3年×2.5=7年半に相当することになり,
おおむね合っているようです。

また,この↑水性シリコン樹脂塗料の場合,10〜13年くらいといわれる年数にはまだ至っていないにしても
【2.5倍】の法則でいくと,南側壁面だったら,7年半でまだツヤがあることになります。

この時,同時にテストした水性シリコン樹脂塗料は,全部で7種類,
1万円台前半のものと2万円を超えるものが混在していますが,光沢に関しては今のところ
目視で はっきりわかるほどの差はありません。
価格の差が耐候性の差になって現れるのかどうか,今後が楽しみです。

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以上をもって,HP上での 水性シリコン樹脂塗料比較テストは とりあえず終了といたします。

次の第3章では,別のテーマ「木部塗装」について書きます。

《【7】〜【10】 2006年9月7日 アップ 》  

 


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