第2章:水性シリコン樹脂塗料
【10】「耐候性」の判定 |
「耐候性」とは外部での自然の環境下での耐久性のことで,かなり乱暴に言い換えれば, 外壁や屋根など外部の塗装を劣化させる主要な原因は,紫外線,熱,温度差,水分です。 ツヤツヤピカピカに仕上がった塗装に はじめに現れる劣化の徴候はツヤの低下です。 1缶数千円で買える水性アクリル樹脂塗料も,ものによっては1缶2万円を超える水性シリコン樹脂塗料も, なので,価格が3倍も4倍も違うけど,ほんとうに差が出るのか? 塗っている時には実感が無いのです。 しかし,水性アクリル樹脂塗料1種類,水性シリコン樹脂塗料7種類,合計8種類の塗料を塗った板を
■ 曽根塗装店で行っている曝露試験の負荷について 数年前,あるお宅に見積もりにお伺いした時,塗料のテストの話題になり,そのお家の御主人から,
上のグラフと一緒に(というところが,さすが理系!と感心させられたのですが) 【1】南を基準として 南:1.0 西と東:0.7 北:0.5 【2】南面35度と南面90度は、90度を基準として 南/90度:1.0 南/35度:2.5 『測定期間は3年,場所は神奈川県,日照を遮るものがないビルの屋上』だそうです。
『もっと詳細なデータもありますよ』とのお言葉でしたが,私にはこれで十分なのです。 さて,この数値は何を意味するのかというと,
【1】は,垂直面=外壁面に対する方角による負荷の違いで,単純に考えると, 【2】は,角度による負荷の違いで,単純に考えると, 曽根塗装店の屋根の上の塗り板は,ほぼ南向きで,だいたい45度です。
■ 3年後の塗り板 下の写真は設置後47日目,左右で塗り分けた塗料はいずれもA社製, ご覧の通り,今は逆転して,水性アクリル樹脂塗料の方が汚れていないのです。 なぜか?→ 答えは「水性アクリル樹脂塗料はすでにチョーキングしてきているから」です。 下の写真は3年後の状態を斜めから(陽射しが反射する角度で)撮った写真です。
前述の通り,チョーキング=表面が分解されてくるということなので, おお!ちゃんと差があるじゃん!と,ちょっと うれしくなりました(笑)
3倍も値段が違うのですから,耐候性に差が無かったら困りますし,
水性アクリル樹脂塗料はどこのメーカーでもだいたい6年程度で塗り替えということになっています。 また,この↑水性シリコン樹脂塗料の場合,10〜13年くらいといわれる年数にはまだ至っていないにしても この時,同時にテストした水性シリコン樹脂塗料は,全部で7種類, ------------------------------------------------------------------------------------- 以上をもって,HP上での 水性シリコン樹脂塗料比較テストは とりあえず終了といたします。 次の第3章では,別のテーマ「木部塗装」について書きます。 《【7】〜【10】 2006年9月7日 アップ 》
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