外壁塗装 横浜曽根塗装店

DIY外壁塗装 DIYで外壁塗装を目指す会社員Mさんと塗装店店主 静岡⇔横浜 書簡集

[071]2006.10.06(金)23:55

 subject: 「DIY外壁塗装」最終回です

 


M様

お久しぶりでございます。

一応 今回のメールが「DIY外壁塗装」の最終回になるわけで,
最終回かあ,と考えてるうちに1ヶ月過ぎてしまい,すみません。

で,「DIY外壁塗装」なのに,Mさんからのメール,
DIY志望者の方へのアドバイスが1行で終わってるではないですか (^^;)

それにひきかえ,会社の内壁塗替え工事請負い?も経験され,

> 説明しても、素人には分かんないことが多いと痛感

って,Mさんの視点は,もうほとんど業者同然になってる感じがします。

> そこは、ほれ曽根塗装店の下請け^^;

ここ↑私的にはめちゃめちゃ笑かされました。

Mさんが書かれている通り,

> ここは、あくまで自宅と違い時間・費用の関係で
> やりたければ、いくらでも時間掛けて、手間かけてと行かない仕事

> でも、結果は大満足・・・これは、まあ喜ばれたって意味で

ということが普通に成立する ややこしい職業なんです。

「作業する自分の完璧な満足」と「金さえもらえればどうでもいい」という両極があるとして,
自分にしかわからないその領域の,どこで線を引くか,私はいまだに迷いながら仕事をしてます。

 

さて,塗装業者の選び方なんですが,私ペンキ屋ですけど,ほんとに難しいです。

たとえ知り合いでも『口だけ』の場合があり,
一現場一緒に仕事してみないと実際のところどうなんだかわからないくらいですから,
書類だけで知らない業者の判断することなんかとてもムリです。

> 名刺の業者が直に施工する

という場合であっても,ロクでもない結果になることがありますし,
現場が全部職人任せだったら,丸投げで外注使うのと どこが違うのか,
職人を兼ねてる私にはわかりません。

また,

> ピンハネ・ピンハネで下に出すだけ

といっても,下請のペンキ屋はそのシステムのお陰で,ブロイラーのようにベルトコンベアー式に
流れてくるエサ(仕事)にありつけるという多大な恩恵を蒙っているわけです。

もちろん,ブロイラーにはブロイラーなりの葛藤が生じたりして精神的にクル場合があり
それはそれでラクじゃないことも知ってますけど,ブロイラーには,現場仕事だけが仕事じゃない
ということはイマイチわかってないと思います。(自分がそうでしたから)

効果的な広告の出し方とか巧みな話術とかスマートな笑顔とか核心を突く交渉力とかも,
ちゃんと考えて上手くペンキを塗るのと等しく,やはり職人芸ではないでしょうか。
私にはそんな営業テクはありませんので,なおのこと,そう思います。

昨今では,ペンキ屋にそういう手練手管を伝授するセミナーがあちこちで開かれてまして,
私も見物に行ったことがあります。
なんなんだかな〜,という違和感しか残りませんでしたけど(脱力)

あれこれを考えると,やっぱり,依頼者がある程度予備知識を蓄えてから,
現場責任者と十分な問答の上で,最終的には

> 人を見る眼を養いましょう

これしかないだろう,と私も思います。
結果,成功でも失敗でも,それは依頼者の『選択眼の反映』です。

> 横浜近郊なら曽根塗装店がお勧めですよ ^^;

最後に宣伝してくださってありがとうございます。
性格上,自分では言えませんから(爆)

「DIY外壁塗装」,かなり睡眠時間削りましたけど,Mさんとの文通?すごく楽しかったです。
ありがとうございました。

HP上で完結してから,CDに焼いてお送りしますので,しばし,お待ちください。

またいずれ遊びに行きますね (^^)ノシ

[071]2006.10.06(金)23:55

 

以下,結びです。
 

DIYの外壁塗装でプロ同然の仕上りを目指したいと思う方が,そのための情報収集として
事前に塗装屋のHPとか塗料のカタログとかをかなり真剣に読んでいても,
いざ実際に作業を開始すると,「どうしたらいいんだろう」と思うことが沢山出てくると思います。

建築塗装の職人としてとりあえず一人前になるには最短でも5年くらいはかかるわけですから,
あれこれの疑問の続出は当たり前のことであって,その5年の隔たりがシロウトとプロの差です。

そして,自分でやってみると,単に“塗る”という作業は全体の一部分にしか過ぎないこと,
考えてもいなかったところに手間がかかることがわかるでしょう。

また,技術以前の問題として,テキトーにやるのかキチンとやるのか,その心構え(性格?人格?)
次第で,作業の質に途方もなく巾があることも実感されることになると思います。

多くの方は,塗替えなんてせいぜい1週間で終わるもの,と考えておられることが多いのですが,
御自身で実体験してみれば,どうしてそんなに早く終わるのか,きっと不思議に思うはずです。

セオリー通りの工程を積み重ねてゆくには,誰がやっても一定以上の時間がかかります。
草野球の試合が1時間半かかるとして,プロ野球だから15分で終わるということはないのと同じです。

そのような塗替え工事をする塗装職人が何にどの程度気を使ってどういうことをしているのか,
それをリアルに感じてもらうためには,私の独り言でも関係者の内輪話でもダメだと思いました。

3年待った甲斐あって,真面目で探究心旺盛で面白い文章が書けて体力のあるMさんと知り合い,
こうして「DIY外壁塗装」が無事完結まで辿り着けたことをうれしく思います。

自分で自宅を塗替えたい人だけでなく,業者に依頼しようと思っている普通の人にこそ,
読んでほしいと思っています。

2006年10月15日     

 
「DIY外壁塗装」CDケース


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