外壁塗装 横浜曽根塗装店

DIY外壁塗装 DIYで外壁塗装を目指す会社員Mさんと塗装店店主 静岡⇔横浜 書簡集

[043]2005.11.15(火)01:59

 subject: やはり継続しますか

 


M様

本日というか昨日,贈り物届きました。(えっ?って,ちょっとびっくり)
どうもありがとうございます。
明日,いただきますね。
清水出身の妻もたいへん喜んでます。

さて,肝心のお尋ねへのお返事です。

> このまま自宅リフォーム計画継続していいですか?

もちろんです。

但し,条件があります。
この精神 → http://www.sone-tosouten.com/13diy/guruguru.htm でやり遂げてください。
そうじゃないと,「曽根塗装店のDIY外壁塗装」というコンテンツの意味がなくなってしまうので。
【編註:上のページの写真がなんだかわからない方は[025]を見てください】

それにしても足場の移動がタイヘンだろうなあ,と思います。

では,久々のお便りに冒頭からコメント・回答させていただきます。
外壁の仕上りアップ,膜厚感からして,なかなか良いのではないかと思います。
手抜き業者は微弾性フィラーも上塗も無茶苦茶に希釈するらしく,
(ウチの近所に実例がありますが)「色付けただけじゃん」的に貧相な仕上りです。

> 自分で撮影していて....デジカメより本物の方が数段いいですよ

そうでしょう,そうでしょう。
「ナノコンポジットW」は艶消なんですが,全艶消ではなく,2分ツヤ(20%艶有)くらいの
絶妙な艶があって,質感がイイですから。

> ホムセンで見つけた紙やすりの100倍の耐久性・削りスピード6倍の商品だそうです。
> (ん〜すぐに、こうゆうの釣られる方なので、実際はどうでしょうね?

これそのものではないですが,場合によっては,こういうような道具を使うこともあります。
どういう場合かというと,塗装する面をパーフェクトな平面に近付けたい場合です。
が,外装の場合,そこまでの下地調整は必要ないと思いますし,
使ってみればわかりますが,破風板とかトタン部分はパーフェクトな平面ではないので,
“工具の研削面が当たらないところ”が無くなるまで削るのはかなりタイヘンです。
よって,手でサンドペーパーを掛けた方がよろしいかと。

ちなみに,サンドペーパーは折り方に流派?があり,私は長手を半分に切ったものを
3ツ折にしてます。
そして,ケレンの時はイボイボの突起付き軍手がおすすめです。

それから,「マジックロン」という“へちま繊維状”の研摩用品を使う場合もありますが,
コレは,対象物の形状に凹凸があってサンドペーパーでは馴染みにくい場合と
「目荒らし」「足付け」程度の軽いケレンで済む場合に適します。
現場塗装してあってホコリ等の付着により,多少なりともブツブツがある場合や,
状態が悪く,がびがびに錆が生じているような場合はおすすめできません。
(サンドペーパー当ててからマジックロンでこするのはアリです)

> ◎ホムセンにある布やすり等を取り付けて、前後に動くサンダー系は使える?使えない?
> (ベルトサンダーって、高額だったけど前後に動くタイプは割安だったのでどうかなと?

前後に動く←「オービタルサンダー」ですね。
これも,塗装面をパーフェクトな平面に近付けたい場合,
および,旧塗膜を完全に除去したい場合に使用する工具です。

下の写真は,「木部塗装塗り替え編」で載せてるのと同じ写真↓ですが,

破風板のケレンのグレード

そのページに書いた通り,ごく一般的な塗り替え工事のケレンのグレードは【1】です。

【2】はどうやってやったのかというとこう↓やりました。

木部ケレンの電動工具

黄色い丸で囲った方の電動工具「アイロンサンダー」は「オービタルサンダー」の
三角形バージョンです。
その奥の赤い丸で囲った方の電動工具「ランダムアクションサンダー」は円形の研削面が
“振動しながら回転”します。
いずれも掃除機のホースをつなげると研削面に開いている穴から(ある程度)粉塵を吸い込む
仕組みになっていて,角や狭いところは三角形の工具,広い面は円形の工具を使用します。

電動工具での旧塗膜完全剥離=「総ケレン」はサンドペーパーでこするよりくたびれますし,
手間もかかります。
そこまでやる必要があるか?は,既存の劣化状況と作業者のポリシーによりますので,
今一度,御検討を。

> ◎屋根は前に
> http://www.sundaypaint.co.jp/catalog/index.html
> のかわら用塗料の1番上のアクリル樹脂系(系ってなんだろう?って今になって思ってる><;
> で塗りました。
> これの上にさらに今回塗りたいのであれば、塗れる塗料は?
> なんでも、塗れるのか?すでにアクリル系のこの商品を塗ってしまった以上、
> ○○と○○は塗れませんってありますか?
> 塗るとしたら、今のベストを教えてください。
> (やはり、2液は無理だとして...

リフティングの可能性があるので,水性の上には水性を塗るのが無難です。
屋根は特に条件が厳しいので,おすすめは,水谷ペイントの「水系シリコン」です。
同社の水性屋根用塗料は「水系ポリマ」→「水系カスタムシリコン」→「水系シリコン」
の3種類があり,一番高いやつです。

でも,屋根は塗ってからあまり年数が経ってないですよね?
まだ塗らなくても良いのではないかと思うのですが,状態悪いのでしょうか?

いや,とにかく,屋根も塗るんだ!という場合は,注意点がいろいろありますので,
決意のほどを伺ってから,改めて書きます。

> ◎雨樋も塗り替えしたいなと(黄色に白系の雨樋が良さそうなので多少でも

アルミサッシがブロンズ色,破風板が茶色の場合,白い雨樋は違和感が生じると思うのですが,
いかがでしょう?(破風板も白で塗ってしまえば統一感は出ますけど)

それから,塩ビの雨樋は塗らないと腐ったり錆びたりするものではありませんので,
1回塗りで十分と私は思いますが,茶色から白系に色変えする場合,2回〜3回塗らないと
透けてしまい仕上らないと思います。

> 2液がベストでしょうけど、2液以外は塗料のヒビとかでやすいですか?

2液でなくとも,その塗料の寿命を迎えるまでは,塗膜が割れることはありません。

> 雨樋について、良きアドバイスを...(1液ぐらいで良さそうな物ありますか?)

弱溶剤1液形ウレタン樹脂塗料「エコレタン/関西ペイント」同等品,
弱溶剤1液形シリコン樹脂塗料「1液ファインシリコンセラ/日本ペイント」同等品
など,各塗料メーカーから出ています。

> 2液がベストならこちらは、2液チャレンジしてみようかなと...

茶色なら,弱溶剤2液形ウレタン樹脂塗料「セラMレタン/関西ペイント」
または,弱溶剤2液形シリコン樹脂塗料「セラMシリコン/関西ペイント」
がよいでしょう。
非常に塗りやすくてツヤが良いです。

(以上の塗料はトタン・鉄部に錆止塗料を塗った後の上塗にも適用可能です)

1液形と2液形,両方使い較べた人間に,どちらが良いかと尋ねたら,
作業性を最優先する者以外は,2液形と答えるでしょう。
現状の弱溶剤1液形は残念ながら“手抜きネタ”の域を出ないと思います。
そう思っているのは私だけでなく,そういう本音を語る塗料メーカーの人にも何人も会ってます。
予算や儲けが何よりも優先されてしまう寒い世界なので1液形が存在するのは仕方がないのですが。

今回,外壁にシリコンクラスを塗ったわけですから,(木部は無理としても)
可能ならば,雨樋やトタンも同程度のグレードを選択されることをおすすめしたいです。

> 素朴な疑問で、雨樋の塩ビ?プラスチック系?に塗布するって、
> 寿命...持ち具合はどのくらいですか?

要は目荒らしです。
きちんと目荒らしして適切な希釈率で塗れば,その塗料の寿命までは剥がれません。

下の写真は剥がれている実例です。

雨樋に塗られた安物のペンキが剥げてます

アップで見る↓と目荒らししていないことがバレバレです。

目荒らしの形跡ナシ

このお宅は過去数回他社で塗り替えられており,
そこら中がこの調子で塗られていてエライ目に遭いました。
しかも,施主さんから「ベテラン職人が塗った」と聞いて唖然です。
(やるべきことを省く職人は仕事がものすごく速いのでウデが良いと評価されるケースもあります。)

もちは,陽当たりの良い面で,SOPなら2年,弱2ウレタンなら5年程度はツヤがあります。
弱2シリコンならもっとツヤがもつでしょうが,弱2ウレタンの1.5〜2倍くらい高価です。
(ウレタン,シリコンという括りが同じなら1液も2液も極端な価格差はありません)
まあ,高価とはいっても,3kg缶1本で雨樋全部塗れるでしょう。

> 余り気長に削りすぎてそのままほったらかしも、良くないかなと...

ケレンしたら雨が降る前に塗ってください。

> ●今現在錆びが、出てなければ地金が出るほどケレン必要ないですか?

軽いチョーキング程度なら,マジックロンでの目荒らしで十分です。

> ●落とせる物なら、前の塗料は落とした方がよい?

ちゃんと密着している塗膜ならば,強いて剥がす必要はないです。

> ●錆びが無くても、錆び止め塗るのなら塗ってから上塗りが理想(その方がベストですか?)

「鉄部塗装塗り替え編」に書いた通り,
上塗塗料よりも錆止塗料の方が下地に対する密着が良いのです。
よほど予算・工期が無い場合を除き,錆止塗料を省くことはおすすめできません。

> 屋根の角部分の鉄板の所
> 皮すきで、白色がペリペリ剥がれます。
> 昔の緑色が出てきます。(錆びって感じは無いですけど
> 下地・ケレン・上塗りがメチャメチャな状態ぽいので、どうでしょうか?

う〜ん,『ペリペリ』ですか。
『ぽい』というよりも,まさしく『メチャメチャ』ですよ,それ。
そんな塗膜は全部剥がすしかないのですが,
全部剥がそうとすると妙に密着してるところがあったりして,ほぼ確実に凄まじく厄介でしょう。
ある程度ケレンして諦めるか,いっそのこと交換した方が良いかもしれません。
(板金材料店で折り曲げ加工済の部材が売ってますので)

> ◎品物見ないと、わかりにくいでしょうけど台所の屋根?出っ張り部分のブリキみたいな部分と、
> 屋根の先の黄色の部分って、同じ塗料で(鉄として考えて)塗布して無問題ですよね。

はい。

> メールもすでに40通突破してますけど、どうですか?

どうですかもなにも,完工までイキますよ。
念のため,メールの番号3ケタにしてありますし。

先週,『スゴイねえ!』って,知り合いの同業者ニシノ清塗工の社長から電話がかかってきました。
『「ペンキ男」っていう本にしたら?』とのことです。
でも売れないんじゃないかな(笑)

それでは,また。

[043]2005.11.15(火)01:59


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