外壁塗装 横浜曽根塗装店

実録塗替え物語 サイディング外壁塗装 塗替え工事の写真日記

[22]カラーシミュレーション


● 「カラーシミュレーション」は通常,着工前の段階で施主さんが選んだ色や業者側が
  おすすめする色を元に作成するものです。
  しかし,今回は,[11]ページで書いた通り,色が確定して,着工してから
  【カラーシミュレーションは,実際に塗り終わった建物の写真にどのくらい近いもの
  なのか?】
という私の個人的な興味で作成を依頼しました。

● その結果がどうだったのかを見る前に,予備知識として あれこれ書いておきます。
  まずは,「加法混色」「減法混色」についてです。

 

・【TVやパソコンの画面のように
  自ら発光しているもの】の場合,
  原色を混合すると白に近付き,
  これを 「加法混色」といいます。
  

・【印刷物や絵のように
  光を当てて見るもの】の場合,
  原色を混合すると黒に近付き,
  これを 「減法混色」といいます。
  

  要するに,パソコンの画面と印刷物とでは色の表現が異なる,ということです。
  (パソコンで作成した画像ファイルをカラープリントしたことのある人なら誰でも,
  画面で見る色とプリントされた色が異なることを経験されていると思います。)

  また,カラーシミュレーションは,以下の順序を経て出来上がっているわけですが,
  「加法混色」「減法混色」という相違の他,【 】内に記した要素により実物の建物の
  色とはズレが生じる宿命にあります。

   実物の建物
    
   カメラで撮影【撮影時間と天気,カメラ・フィルムの性能,撮影技術】
    
   プリントされた写真【機材の性能,現像・プリントの技術,質】
    
   スキャナでパソコンに取り込み【スキャナ・パソコンの性能,取扱いの技術】
    
   サンプルの色を適用【画像処理ソフト・パソコンの性能,取扱いの技術】
    
   カラーシミュレーションとしてプリント【プリンターの性能,取扱いの技術】

  つまり,実物の建物とカラーシミュレーションの結果をぴったり同じにすることは
  不可能といっても過言ではないと思います。
  ですから,それをわかっていて逃げずに引き受けてくださった西野一さん(茨城県
  株式会社ニシノ清塗工 社長)は大したものだと今さらながらに感心しています。

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● 確定した色の実物の塗料を塗った板と一緒に西野さんにお送りした写真3葉は
  4月14日15時頃に「Nikon/F2」で撮影したものです。

 

 

  その日のお天気はうす曇りだったので,同じような天気の日を待って,
  5月26日のほぼ同じ時間に同じカメラで撮影しました。
  下の画像は,その写真(のプリント)をスキャナで読込んだものです。↓

 

【画像1:「Nikon/F2」で撮影したプリントをスキャナ読込】

 

  そして,下の画像は,同じ日にデジカメ「FUJIFILM /DS-260HD」で撮影したもの
  です。↓

 

【画像2:「FUJIFILM /DS-260HD」で撮影】

 

  ご覧の通り↑「Nikon/F2」で撮影したプリントとはかなり色が違うのですが,
  実際に肉眼で見た感じからすると,デジカメ画像の方が実物に近いです。
  
(私のMACで見た場合です。)

  次は,カラーシミュレーションを当店のスキャナで読込んだものです。↓

 

【画像3:カラーシミュレーションをスキャナ読込】

 

  この↑画像のみ,赤味が強いので,私が(背景の建物の色を基準に)補正を
  加えてみました。↓

 

【画像4:画像3を補正】

 

  以上4つの画像を縮小して並べてみました。

 

【画像1】

「Nikon/F2」で撮影したプリントをスキャナ読込

【画像2】

「FUJIFILM /DS-260HD」で撮影

【画像3】

カラーシミュレーションをスキャナ読込

【画像4】

←【画像3】を補正

 

  【カラーシミュレーションは,実際に塗り終わった建物の写真にどのくらい
  近いものなのか?】
の結論としては,【画像1】と【画像3】の比較になり,
  「かなり違う」と言わざるを得ません。

  しかし,【写真のプリントと実物が結構違う】ということ,そして,
  【いろいろなズレがある】ということを考慮して,
  【画像2】と【画像4】の比較をしてみれば,「当たらずとも遠からず」と
  言えるのではないでしょうか。

 

● カラーシミュレーションは施工前後の写真と一緒に6月7日にS様にお送り
  しました。
  以下,御感想のメールです。

 

 


2001/6/10 00:33  Subject: ただもう涙・・涙
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写真集、カラーシュミレーション本当に有難うございました。
なんともウレシ・ハズカシい気持ちになりました。
いつもの事ながらの丁寧さにひたすら感動しています。

カラーシュミレーションですが、これは、有った方が、施主的気持大参考(?)
になります。
色の見本を見せて頂くだけでは、現実としてどのように塗り替えられるのか
ピンとこないものがあります
<だって素人だし・・

また、建物の線画に着色してもやはり、色見本の域を出ません
<やっぱ素人だし・・
ところが、自分の家に仕上色がつくと、(施主的に)ぐ〜んと想像しやすく
なります。イキナリ、イメージを捉えることができます。

ところで、私的には、ちよっとだけ意見があります。
出力見本は、B6〜A5くらいのちいさめがいいです
理由)あまり、鮮明&大画面だと先入観を持ち過ぎてしまい、イメージが
こりかたまりそう(@◇@)あくまでも参考資料にして欲しい。
<お楽しみがヘル!それに1000色見本の活躍の場が減ると寂しいから(笑)

本当にお心遣い感謝します。

ブリティシュグリーンが街灯に浮かび上がるのも風情があると発見したでした

 

 

  西野さんにS様の御意見を伝えたところ,今回はすでに色が決まっていたため,
  例外的にA4で作成,普段はA4に3プラン出力するそうで,

  > 出力見本は、B6〜A5くらいのちいさめがいいです

  というS様の御要望に近いです。


● ここでちょっと余談ですが,私の知り合いの同業者で,カラーシミュレーションを
  サービスで行っていた人がいます。
  その人は,「Photoshop」 という高度な画像処理が行えるソフトを持っていて,
  自分で撮った写真に加工していたのでした。
  ところが,突然,その人のHPから「カラーシミュレーション サービス」の記載が
  無くなってしまいました。
  「どうしたんですか?」と私が尋ねると,非常に色にこだわる施主さんに遭遇,
  あれこれと10パターン以上のシミュレーションを作成してから色が決定,
  ようやく着工したところ, 『カラーシミュレーションと違う』という理由により,
  塗りはじめてから何回も色が変更になって,もうこりごりした,との事でした。

  この人以外にも,『実物と合わないなら,やる意味が無いじゃないですか』と
  施主さんに言われて以後,カラーシミュレーション サービスを廃止した同業者を
  私は知ってます。

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● 以上,私の結論としては,事前に十分な説明を行った上で“余興”として見てもらう
  のが適切なカラーシミュレーションの提供方法
ではないかと思いました。

 

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  ※ 西野さん,御協力ありがとうございました。

 

 

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