［Q&A.18］新築で外壁塗装のムラがひどい

　　（訪問者からのご質問です。メールでのやりとりを編集して掲載しました。）
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《Ｘ／男性／30代／会社員／神奈川県》

新築物件ですが、塗装の状況がひどい（ムラがおおい）ので防水性を心配しています。
業者に再度塗り直しを依頼する方がよいのか、補修時期を早めにすれば問題ないレベルなのか
判断できずにいます。
何かいい判断基準ないでしょうか？

また、密集地（隣家まで壁間30cm程度)での木造２Ｆ（のべ床100m²程度）
アクリル吹きつけの補修費用は足場台など全て含めたどの程度必要なのでしょうか？

質問ばかりで恐縮ですがよろしくお願いします。

御質問の件ですが，結論から申し上げますと，防水性に支障をきたすほどのムラなのか，
補修費用はいくらかかるのか，いずれも現場を拝見しないと確実なことは言えません。

外壁塗装における“ムラ”とは何か，というと，塗装の膜の厚みが均等でない，ということで，
厳密には，塗装の膜の厚みの不均等は必ず生じます。
要は仕上がった時にそれが目立つか目立たないかということで，仕上がりの良し悪しは
あくまで施工者のウデ次第です。
その，薄い部分が必要な厚さに達していないムラならば，もちろん防水性，耐久性に影響します。
壁面をよ〜く見てください。下地が透けて見えるようだったら，塗り直してもらうべきです。

また，薄い部分が必要な厚さに達しているとしても，失礼ながら“シロウト”であるＸ様が見て
『ひどい』と感じるわけですから，遠慮せずに塗り直しを要求しても当然と私は思います。

ただ，塗装業者の弁護も少ししておきます。
『隣家まで壁間30cm程度』というのは，施工する状況としてはものすごくやりにくいです。
その狭いところに足場のパイプが立ち，シートで覆われていた（？）わけで，吹付の作業中には
塗料の霧がさらに視界を悪くしていたと思います。
ムラなくキレイに，と要求する方がムリだと思いませんか？

また，工事の元請けがハウスメーカーなのか工務店なのかわかりませんが，一般に（あくまで一般に
ですが）新築工事では，専門工事業者が善かれと思う仕事は出来ない場合が少なくないと思います。
（「塗替えＱ＆Ａ／Ｑ.09／築５年で塗替えの必要があるか？」を参照してください）。

『アクリル吹きつけ』と書かれているのが「リシン」なのか「スタッコ」なのか「吹付タイル」
（＝玉吹き）なのかわからないのですが，ごくごく単純な試算をしてみます。
足場で４〜６人工，養生と塗装で４〜８人工，合計１４人工と仮定すれば，材料費・経費込みで
人工３万５千円を掛け，４９万円。
養生の多少，建物の形状，そして，何工程の塗装が必要かによって，もっとかかるかもしれませんし，
もっと安いかもしれませんが，この前後１５万くらいではないかと思います。

あまりイヤな展開は想像したくありませんが，もし，コジレてしまったら，
「欠陥住宅苦情ネット」という方法もあります。

http://www.kekkannet.addr.com/

業者とのトラブルを実名で公開するというＨＰです。
公開される業者としては信用問題ですから，それまでは相手にしてくれなかったのに解決したという
例もあるようです。

以上，2001年6月6日着信のメールから始ったやりとりです。
その後，どうなったのでしょうか．．．

地方にお住まいの方には想像できないかもしれませんが，『隣家まで壁間30cm程度』などいうのは
東京，神奈川では珍しくありません。
しかし，敷地に余裕がないと後々，外壁塗装ほか，あれこれの工事が非常にやりにくいばかりでなく，
お隣さんと仲が良くなかったりすると，最悪の場合，工事ができないこともあります。
新築時には最低でも隣地境界から６０センチ，できれば１メートルは空けて欲しいと常々思います。