外壁塗装 塗替え 神奈川 横浜曽根塗装店

塗替え Q&A建築塗装の基礎知識

外壁塗装塗替える場合の塗料種類

ここでは,モルタルやサイディングなどの外壁の塗装を塗り替える場合に,
どのような選択肢があるのかを簡単に説明します。
(模様や柄を付け加えるための吹き付けによる塗装については除きます)


    1.外壁塗装の下塗用塗料について

最近は塗替えの場合に「下塗を省略できる」と称する塗料も登場していますが,そういう塗料でも
カタログをよく見ると,たいていは “下地の状態が良い場合に限る”という意味のことが
書いてあります。
ですから,ほとんどの外壁塗装の塗替え工事の場合は下塗りを行うのが普通です。
現在一般に使用されている下塗塗料はだいたい以下2種類のどちらかです。

  (1) シーラー ・・・・・・・ 吸い込ませて表面を固め,上塗りの密着を良くする

  (2) 微弾性フィラー ・・・・ シーラーよりも厚めに塗る必要がある場合に使用する

シーラーにもフィラーにも多くのタイプがあり,下地の種類や状態によって適切なものを選ぶことが
大切です。

下地の状態が非常に悪い場合は,シーラーの後にさらにフィラーを塗ることもあります。

近年の塗替え工事ではシーラーに代わって「微弾性フィラー」「微弾性下塗材」とよばれる下塗材が
よく使われるようになりました。

シーラーはほとんど厚みが付かないので,細かい穴やひび割れがたくさんある場合などは,
微弾性フィラーを使用した方がキレイに仕上がりますが,密着性の点ではシーラーより劣るため,
下地の風化が著しく,粉っぽい場合や吸い込みが激しい場合には 微弾性フィラーを直接塗付するのは
ダメです。

また,微弾性フィラーは希釈割合と使用するローラーの種類によって使用量と仕上りが異なります。
 (「外壁塗装の代表的な模様」のページの末尾をごらんください)

 

 


    2.外壁塗装の上塗用塗料について

外壁塗装は通常,下塗りの後に上塗り塗料を2回塗りして仕上げます。
最も安価な上塗り塗料は石油缶1缶で5千円以下,高価なものだと10万円を超えるものもあります。
耐久性は塗料の主成分である「樹脂」の系統によって左右されるといわれており,以下の4種類に
大別することができます。

 

外壁塗装用塗料の種類と塗り替え目安


しかし,非常にややこしいことに,各系統の中で,さらにいくつもの種類,グレードがあるのです。
溶剤タイプと水性タイプがあり,硬質タイプと弾性タイプがあり,弾性のものでも下塗から仕上までの
組み合わせ方で微弾性から高弾性まで,そして,薄く塗るものと厚塗り専用のものがあり,さらには,
低汚染性,防カビ性,防藻性,透湿性,断熱性,遮熱性などの機能を付加したもの等々,多種多様な
タイプの外壁塗装用の塗料が数十社の塗料メーカー各社から発売されています。

ですから,例えば,この表を見て,「シリコンだから上等」とは言えません。
カタログ上は同じ“シリコン塗料”でも,1万円以下のものから3万円を超えるものまで,実に
いろいろな“シリコン塗料”が存在します。

このところ流行りの“セラミック塗料”と称するものも,やはり,1万円以下のものから5万円を
超えるものまでピンキリです。

新築時には,施主さんや建築業者から塗料の種類を指定されることは滅多にありませんから,
最も安価なアクリル樹脂塗料が使用されるのが普通です。

 


    3.何を塗れば良いのか?

端的に言えば,外壁の塗替えを行って“建物に残る”のは塗料だけです。
鉄パイプや板で足場をかける手間,水洗いをしたり,ひび割れを補修したりといった「下地調整」を
する手間,塗らない部分をカバーする「養生」を行う手間,そして塗る手間 等,外壁塗装工事費用の
大半は,人件費と経費
です。
従って,2倍の価格の塗料を使っても工事価格が2倍になるわけではありません。
ですから,1回にかかる工事費が多少高くても,長もちするものを塗って,先々の塗替えの回数を
減らした方が“結果的には経済的”ではあります。

なんとなれば,現在,20年くらいの寿命をもつ塗料は実在するようですから,そのような高耐久な
塗料を採用して塗替えたとしましょう。
その後 20年間塗り替える必要が無くなるでしょうか?
私は無理だと思います。
なぜかと言えば,塗装だけで20年間メンテナンス不要になる住宅が皆無に近いと思うからです。

塗装は有効な“延命策”ですが,(塗装屋らしからぬ極言をしてしまえば)“表面に膜を作るだけ”
ですから,強度不足など建物自体の構造的なトラブルや素材自体の劣化(老化)の阻止までをも
塗装に求めるのは無理がある
と言わざるを得ません。

例えば,木造モルタルの外壁にはひび割れが生じます。
そこで,弾力性のある塗料を厚く塗ったとしても,弾力性が永続するわけではありませんし,
塗装の膜=塗膜の伸び率を超える下地の動きが生じれば,当然裂けてしまいます。
皮膜で覆って素材を保護するのが塗装ですから,それが裂けてしまったら“保護膜”としての意味は
失われることになります。
あるいはまた,外壁がセメント系サイディング張りの建物で継ぎ目にゴム状の素材=コーキングが
充填してあれば,そのコーキング自体が劣化していきます。

つまり,個人的には,【高耐久塗料の採用によるメンテナンス周期の延長】はせいぜい10年が限度
ではないかと思うのです。

さらにまた,建物自体にはダメージを及ぼさなくても,塗替えの大きな理由となる“汚れ”の
問題もあります。
近年の外壁塗装用塗料はカタログやパンフレットで『低汚染』を謳うものが多いですし,実際に
ハッタリではなく,かなり良いと思われるものもありますが,それでも“10年経っても塗りたて同然”
ということはあり得ません。

非常に漠然とした例えですが,「30年の間に10年ごとに3回塗替えるよりも,6年ごとに5回
塗替えた方が,キレイに見える期間の合計が長いであろう」と思います。
しかし,工事の回数が増える分,費用が嵩みます。


・・・・・振り出しに戻る・・・・・


同業者の知り合いの中には,「住宅にはウレタンで十分」と言い切る人もおり,それでも大きな
間違いではないと思います。(アクリルで10年放置する人がザラにいるわけですから)
でも,貴方がベターなもの,ベストなものという概念に魅力を感じることができるなら,
シリコンやフッ素がムダとも言えません。

結局,「何を塗れば良いのか」は素材の状態や立地条件,そして,施主さんの嗜好や考え方によって
絞り込んでゆくべき問題になるわけです。

 


“どういう塗料を塗るか”ということ,“どのように塗るか”ということは,
“どんな色を塗るか”ということよりも,はるかに重要なことです。
見積もりを依頼する際には業者と十分に相談して決めるようにして下さい。

 

もう少し詳しく知りたい方は,下記のページをご参照ください。

『塗料の黙示録』 > 序章:建築用塗料の種類・分類

塗替えQ&A』 > 基礎知識:5 > 建築塗装用語集:塗料・材料

 

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