外壁塗替え工事の工期の件につきましては,どちらも『ほんとう』です。
“その業者なりの仕事のやり方”で短かったり長かったりします。
極端な例として2つだけ書きます。
職人でない方に伝わるかどうかわかりませんが,想像してみてください。
●ローラーで外壁に塗料を塗るとします。
まず,ローラーに塗料を含ませます。
壁面でローラーを回転させて塗ります。
ローラーに含ませた塗料が少なくなってきたら,また塗料を含ませます。
そして,また壁面でローラーを回転させます。
これを繰り返して塗ってゆくわけですが,
【塗料をたっぷりと“かぶせる”ように50センチ四方ずつ】塗っても“塗った”ことになりますし,
【ローラーが潰れんばかりの力を込めて,ローラーに含んだ塗料がスカスカに無くなるまで,
多少のかすれなどお構い無しに“塗れるだけ塗り広げて”2メートル四方ずつ】塗っても“塗った”
ことになります。
どちらのやり方が早いと思いますか?
それからもう1つ,想像してみてください。
●2階の窓の上の庇の上がトタンだったとします。
・全面にサンドペーパーを当てて掃除
・外壁の塗料が付かないようにトタンにビニールでカバーをして外壁塗装
・トタンのカバーを外す
・壁に付かないようにトタンに錆止塗料を塗る
・錆止塗料が乾いてから,壁に付かないようにトタンに上塗塗料の1回目を塗る
・上塗塗料の1回目が乾いてから,壁に付かないようにトタンに上塗塗料の2回目を塗る
これで“仕上り”です。
でも,
・
いきなり錆止塗料を塗る
・カバーをせずに外壁塗装
・上塗塗料を1回だけ塗って終わり...
トタンの上には外壁の塗料がボタボタ垂れた跡があるわけですが,2階の窓の庇の上なので,
施主さんにはわかりません。
どうせ施主さんにはわからないんですから錆止もテキトーでいいかもしれません。
「これで仕上りです」と言えば“仕上り”です。
どちらのやり方が早いと思いますか?
以上は極端な例ですが,そういう差異のある作業の積み重ねの末に完成するのが塗装工事なのです。
すべてを“きちんとした方法”でやる場合と,すべてを“早い方法”でやる場合とではトータルで
何倍もの差がつくと思います。
塗装に限らず,仕事というのは何でもそんなものではないでしょうか。
O様の会社にも,「クソ真面目な奴」や「要領のいい奴」がいますよね?
当店の場合,戸建住宅の塗替え工事で(屋根の塗装別で)平均2週間弱です。
この2週間の中には,雨で仕事が出来ない日や日曜日は含まれません。
足場を取り付けてから外すまでの“実働日数”です。
建築工事の業界では工事に関わる延べ人数を「人工」といいます。
例えば,3人で2週間かかったら,3人×14日=42人工となるわけです。
当店の場合,足場込みで,最低でも30人工はかかっており,手間のかかる建物の場合には40人工を
超えることも珍しくありません。
しかし,2人で6日間(=12人工)で終わるのが適正な外壁塗装工事日数である,とHP上で
堂々と主張する業者もいます。
私には信じ難い話ですが,その業者にとってはそうなのでしょう。
> 建物によってかなり違うとしていますが、どのような建物を想定しているのですか。
細かく説明するとキリがないので,端的に大雑把にお答えします。
【素材の数,色の数が少なく,敷地に余裕をもって建てられた,形状が単純な建物】は,
その逆の建物よりも工期がかかりません。
【破風と軒裏と外壁の素材と色が異なり,サッシには全部木枠が付いていて,べろべろにペンキが
剥がれている鉄のベランダがあり,敷地一杯に建てられていて植木が沢山植えられている上に鉢植えが
狂ったように並べられている入り組んだ形の家を雨戸も屋根も雨樋も塗る】ような場合はものすごく
工期がかかります。
|